大島6丁目団地自治会

2003年全国公団住宅居住者総決起集会 決議
公団住宅に安心して住みつづけたい
2003年全国公団住宅居住者総決起集会 決議


 来年7月1日、独立行政法人都市再生機構が設立されます。都市公団は廃止され、約76万戸の公団賃貸住宅は新機構が引き継ぎ、管理します。50年間にわたって大きな役割をはたしてきた「公団住宅制度」は終わりとなります。

 公団から機構へー住まいがかつてない変動をむかえようとしているなかで、私たちは、「安心して住みつづけられる公団住宅を」の合い言葉のもと、2003年全国統一行動に取り組み、本日、団地居住者の署名を結集して全国公団住宅居住者総決起集会を開きました。署名は集会後、国土交通省と都市公団に提出します。

 ことし4月から6月にかけて行なわれた通常国会の衆参両院国土交通委員会での機構法案審議は、全国各団地自治会の国会・地方議会・首長に対するねばり強い働きかけにつづき、連日傍聴席を埋めつくした傍聴活動、全国自治協役員の参考人出席と居住者の生活実態と要求の発表など、私たちの取り組みを積極的に反映したものとなりました。各党の議員はこぞって、今後とも居住の安定の保障が必要であることを指摘し、実効ある施策を要望しました。国土交通大臣や都市公団総裁らは「居住者の居住の安定をはかる」ことを約束、付帯決議が全会一致で決議されました。

 付帯決議は、「機構は公団から承継する既存の賃貸住宅団地について、居住者の居住の安定を図ることを政策目標として明確に定め」ることなど、私たちの要望を盛り込みました。

 私たちの運動によりこのような前進をみたものの、しかし、独立行政法人化は“民営化への橋渡し”といわれています。3年ないし5年ごとの「中間目標」に照らして達成状況を評価し、そのつど廃止や民営化の検討が行なわれます。公団住宅の存在や管理業務の基盤がつねにおびやかされることになります。

 賃貸住宅事業は、直接供給をやめて民間供給誘導・支援型となります。住宅管理では、「居住者の同意を得たうえで」との条件付きながら団地の「棟ごとの売却に努める」こと、団地管理業務の民間委託拡大などが閣議で決定されています。さらに3年ごとの家賃改定、高齢者への特別措置における「1年限り値上げ見送り」緊急措置の打ち切り、立て替え団地の余剰地の売却など、今後の住まいへの不安は消えません。

 さらに、国交省の審議会が9月に発表した「新たな住宅政策のあり方について(建議)」は、住宅政策を「公的直接供給」から「市場重視」へ切り替えること、住宅建設計画法や公共賃貸住宅制度の全面見直しを打ち出しました。この建議は、新機構に引き継がれる公団住宅を「その他住宅」という位置づけにしていますが、とんでもないことです。
 住まいは人権、福祉の基本です。私たちは、安心して住みつづけられる公共住宅、居住の安定を保障する家賃制度づくりを求め、2003年全国統一行動の次の要求の実現めざして、引き続き奮闘します。

一、独立行政法人都市再生機構法に対する国会の付帯決議を全面実現し、公団住宅を公共住宅としてまもること。
一、家賃制度と改定ルールを見直し、高家賃を引き下げ、居住者の収入に応じ負担能力を考慮した家賃制度にすること。
一、家賃特別措置適用者への1年限りの値上げ見送り措置を2004年度以降も継続すること。
一、家賃減額制度など高齢者世帯・子育て世帯の居住安定をはかること。
一、公団の既存住宅や敷地の売却、建て替えを機にした余剰地の民間企業への売却に反対。公共住宅建設と住みよいまちづくりを。
一、建て替え団地のすべての戻り入居者に新制度と同一の家賃減額・特別措置を適用すること。
一、住宅内外の修繕等の計画実施、住環境整備、防災対策の促進。
一、居住者サービスの向上、自治会との連携強化による管理への居住者参加の推進。
一、だれもが安心と豊かさを実感できる住宅政策、公共住宅政策の拡充を。

2003年12月4日
公団住宅に安心して住みつづけたい
2003年全国公団住宅居住者総決起集会


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