大島6丁目団地自治会

陳情書

 昨年の3月江東区議会に、私たち自治会は4月に予定されている公団家賃の値上げに反対する意見書を、関係各方面に提出していただくよう陳情いたしましたが、「街づくり特別委員会」において全会一致の賛成が得られず継続審議となり事実上否決されました。
 今年の7月には都市基盤整備公団が廃止され私たちの大家は「独立行政法人都市再生機構」となります。極端なことをいえば大家がどのように変わろうとも私たちの生活が脅かされることなく安心して暮らせる環境が作られるのであれば何の文句もありません。しかし、独立行政法人都市再生機構の第一の目的は公団から引き継いだ賃貸住宅の管理運営ではありません。機構の本来の業務目的のためには賃貸住宅を売却することもありうるわけです。そのような不安を抱えて生活を続けないためには、独立行政法人都市再生機構法案が成立した時点で衆参両議院で採択された付帯決議を、完全に、忠実に公団および機構が実施する以外にありません。
 そこで私たち自治会は別掲のような陳情書を、2月16日に再度江東区議会に提出いたしました。この私たちの陳情書は3月18日の「防災街づくり特別委員会」で審議される運びになっています。私たちはこの委員会の審議を注目したいと思います。自治会からも何人かは傍聴に行く予定ですが、ご希望の方はぜひ傍聴をお勧めいたします。委員会は午前10時開始の予定です。詳しくは自治会事務所までお問い合わせください。

陳 情 書
平成16年2月16日

公団住宅を安心して住み続けられる公共住宅として維持するため、独立行政法人都市再生機構法に対する国会の付帯決議の全面実現を要請する意見書に関する陳情

江東区議会議長
榎 本 雄 一  殿

陳情者 公団大島6丁目団地自治会会長
中 島  政 幸
外24名

陳情趣旨

1. 独立行政法人都市再生機構は都市基盤整備公団より公団住宅を引き継ぐにあたり、独立行政法人都市再生機構法に対する衆参両院国土交通委員会の付帯決議を全面的に実現し、安心して住み続けられる公共住宅として良好に存続させ、公団住宅居住者の居住の安定をはかるよう努めること。
2. 都市基盤整備公団と独立行政法人都市再生機構は公団居住者の居住の安定をはかるため現行の家賃制度と家賃改定ルールを見直し、高齢者世帯・子育て世帯等のための家賃制度を確立し、築年数と設備の古さに比較して高すぎる家賃を引き下げ、空き家・空き店舗の減少に努めること。
3. 都市基盤整備公団は家賃値上げに関する低所得高齢者世帯等への特別措置について、年金受給世帯等に対する据え置き措置を平成16年度以降も継続すること。

陳情理由

 住宅都市基盤整備公団(以下「都市公団」とします)は本年6月30日をもって解散し、公団の管理は7月1日に新たに設立される独立行政法人都市再生機構に引き継がれることになりました。昭和30年(1955年)設立の日本住宅公団によって始まった公団住宅制度は、その後住宅・都市整備公団(1981年)、都市公団(1999年)と組織の変更はありましたが、半世紀にわたり国の住宅政策の柱のひとつとして、住宅に困窮する勤労者・都市住民に良好な公共住宅を供給するという大きな役割を果たすとともに、地域の街づくりに重要な貢献をしてきました。他方、都市公団は昨年4月の家賃値上げの際、低所得高齢者世帯等に対する特別措置適用世帯のうち年金需給世帯等にとった家賃据え置き措置について、これを1年限りで打ち切り、本年4月からこれらの世帯の家賃を引き上げようとしています。

 また、公団住宅には現在空き家が目立っています。空き家増加の大きな要因は建物や内装・設備に比べ家賃が高いことです。昨年4月の家賃値上げは私たちの暮らしを直撃し、さまざまな動きがありました。『今度値上げされたら暮らしていけない。』『住んでいられない。』との声が少なからず起こり、一方では近隣の分譲マンションや他の住宅に引越しされる居住者、特に若い世代の居住者が目立ちました。民間も含め現在では当たり前になっている、集合住宅のLDK方式やキッチンの配置様式、共益費という概念等々基本はすべて公団が考えたことです。このように公団が実行していく事柄は、民間業者が右へならえするほど、社会的にも大きな影響力をもっています。したがって、近傍同種の民間住宅の家賃に、公団賃貸住宅の家賃を合わせていくという合理的で説得力があるように思える方法も、公団家賃の値上げが、近隣の賃貸住宅家賃に影響を与えて、近傍同種家賃を引き上げているというのが実態なのです。また団地の経営・管理上の観点からも、保安上の観点からも種々の悪影響を引き起こす空き家解消のため、家賃を引き下げることが必要です。
全国で約76万戸(当区では14,300戸)200万人が住む公団賃貸住宅の管理が独立行政法人に代わることによって、私たちの住んでいる住宅が公共住宅として存続するのか、いずれは機構の事業目的の為に売却されて民営住宅になるのか、はたして居住者は安心して住み続けられると信じてよいのか、心配なことばかりです。こういった私たち公団住宅居住者の『公共住宅としての存続』『居住の安定』の願いや声を受け止め、昨年の通常国会における、衆参両院国土交通委員会での独立行政法人都市再生機構法案の審議では、すべての会派から「居住者の居住の安定をまもれ」との見地から質疑が行われ、衆参両院ともそれぞれ全会一致で付帯決議が付されて法案が議決されました。

 つきましては、以上のような経緯をご賢察の上、都市公団の当面の問題と独立行政法人都市再生機構に公団住宅の管理が移される件について、貴区議会として頭書の陳情趣旨に沿った要請を意見書として政府にご提出くださいますようここに陳情いたします。          

 以 上

戻る  ホームページへ